山本モナさん(49歳)、子育て合間の司法試験勉強で「私」を再び手にできた

3人の子育てをしながら5年にも及ぶ膨大な勉強量と壮絶な努力。
2025年11月、フリーアナウンサーの山本モナさんが49歳にして
司法試験に合格したというニュースは、私たちマチュア世代にとって多くの驚きと
希望をもたらしてくれました。
取材でお会いしたモナさんは、思い描いていた天真爛漫な人柄ではなく
目標に向かってストイックに努力をする凛とした女性。
そんなモナさんに、女性特有の50歳前後に訪れる苦悩や、司法試験を目指した理由など心の内にある思いを語っていただきました。

子育て合間の勉強で、「私の時間」を手にした

なかなか自分の時間が取れない子育ての中で、勉強している時間は純粋に
「私の時間」でした。
もちろん、勉強は辛さもありましたが、とても充実していました。
子どもたちからは好きでやっていると思われていたので、
「ママって本当に勉強が好きだよね」と言われましたね(笑)。
とはいえ、昔は寝なくても平気でしたが、40代は体力的にも睡眠を取らないと
翌日のパフォーマンスが落ちる。
そんなことも、身をもって体感し、睡眠時間の確保も大きな課題でした。
次の日の子どもの予定を考えながら、前の晩は何時まで勉強するとか、
朝は何時に起きて勉強するかなど日々調整していました。
それでも毎日ハプニング続出で、スケジュール通りにできないことが
ストレスに繋がってしまう……。
だから、とにかく隙間時間で勉強することを徹底していました。
どこでも勉強ができるようにテキストをiPadの中に全部入れて持ち歩き、
車の中やカフェなど場所を選ばす時間が空いたらやる、できる時にやる、
できる範囲でやる、といった毎日でした。
パズルのようなスケジュール管理だったから、勉強に没頭して
お迎え行くのを忘れてしまったことも何度かあります。
そんな時は素直に「ごめんね」って子どもに謝りました。でもそれ以降、
「本当にお迎えに来る?」「また忘れるんじゃないの?」とか言われましたけれど(笑)。

仕事と子育ての“両立”なんて絶対無理! 女性を脅かす言葉に踊らされずに
それにしても、“両立”という言葉は、女性にだけプレッシャーをかけると
思いませんか?
夫に、「仕事と子育ての両立はどうですか?」なんて、聞く人はいないのに
働く女性だけ、“両立”“両立”と言われる。
“両立”という言葉は、「全てを完璧にこなさなくちゃ」と思わせる帰来がある。
私自身も、「私が勝手に勉強しているのだから、何も言われないように完璧に
しなくちゃ」と思ってた。防波堤を築いていたんですね。
でも、キャパ的に絶対に無理なんです。
だから、何かを削いでいくしかない。
例えば、子供が体調を崩せば、その都度の優先順位を決めて対処していく。
イレギュラーなことにストレスを抱えると、本末転倒で何もできなくなってしまうから、
優先順位を決めて、そこに力を注いていく。
そして、それ以外のことが中途半端になってもしょうがないと、割り切る力の抜き方を
学びました。掃除しなくても死なないし、手作りのお弁当を持たせられない日も、
友達と一緒に食べたら美味しいもの。
そして、人に頼るということを覚えました。
私は人に頼ることが苦手だったのですが、「頼らないとできない」ことも知りました。
周りのママたちが「何かあったらいつでも言って」と温かい言葉をかけてくれたので、
甘えて子ども達を預かってもらったので、恩返しをしなくちゃと思っています。
全部完璧じゃなくなって、“両立”するんです。
幸いなことに、就職を決めた事務所の代表は、3人のお子さんがいる女性で、
“女性が働く”ということのロールモデルが目の前にいます。
「子どもは放っておいても育つよ」とアドバイスもいただいて、
働きやすい環境、そして良い出会いに感謝しています。

<Profile
Mona Yamamoto
1976年生まれ。学習院大法学部卒業。98年に朝日放送に入社後、2005年にフリーアナウンサーに転身。2010年3月には英国国立ウェールズ大学大学院にてMBAを取得。2022年からは早稲田大大学院法務研究科に進学。2025年、3回目のチャレンジにて司法試験に合格。私生活では2010年8月に一般男性との結婚を発表し、現在は13歳、11歳、6歳と3児の母。

撮影/田頭拓人 取材/北野法子 構成/河合由樹